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JLPT N2故事

雪の女王冰雪女王

アンデルセンによる、愛と勇気の冒険物語。安徒生關於愛與勇氣的冒險故事。

昔々、悪魔の手で恐ろしい鏡が一枚作られたことがあった。その鏡には不思議な力があり、写すものをことごとく醜く、ねじ曲がって見せる呪われた力を持っていた。

很久很久以前,曾有一位魔鬼親手打造出一面可怕的鏡子。 這面鏡子擁有一種詭異的力量——凡是被它照映的事物,無一不會扭曲變醜,宛如被施了詛咒一般。

悪魔たちはその鏡を抱えて天高く飛び上がり、神様までもを笑い者にしようと企てた。ところが、調子に乗りすぎたあげく、彼らは鏡を手から滑り落とし、鏡は地上へと真っ逆さまに落ちて粉々に砕け散ってしまった。

一群魔鬼抱著這面鏡子飛上高空,竟然打算用它來嘲弄連神明在內的世間萬物。 然而他們得意忘形之下,竟一不小心把鏡子從手中滑落,鏡子直直墜向地面,「啪」的一聲碎成了無數片。

砕けた破片はあまりに細かく、何億という小さな見えないチリとなって、世界中の風に乗って散らばっていった。それを目に浴びた者はあらゆるものが醜く見え、心臓に刺さった者は心が氷のように冷たくなってしまうのだという。

那些碎片細小得幾乎看不見,化作億萬顆肉眼難辨的塵屑,隨風散落到了世界各地。 據說被這碎屑迷了眼的人,看什麼都會覺得醜陋無比;扎進心臟的人,則會漸漸變得心冷如冰。

北のほうのとある町には、カイとゲルダという仲のよい幼馴染が住んでいた。二人は隣同士の屋根裏部屋を行き来して、まるで兄妹のように毎日を共に過ごしていた。

在北方一座小鎮上,住著一對要好的青梅竹馬——男孩凱伊與女孩格爾達。 兩家緊挨在一起,連閣樓的窗戶都相對而開,兩人每天像兄妹一樣形影不離。

ある夏の日のことであった。窓辺で薔薇の花を眺めていたカイの目に、突然「いたっ」と鋭い痛みが走った。そして同時に、心臓のあたりにも氷のような冷たさが走るのを感じた。

那是一個夏天的日子。 凱伊正在窗前凝望著玫瑰花,突然「啊」的一聲,眼睛被什麼刺了一下。 與此同時,他還感到心口也猛地傳來一陣冰冷刺骨的寒意。

その瞬間から、優しかった少年は別人のように変わってしまった。母やゲルダに対しても冷たい言葉ばかりを投げかけ、薔薇の花を見ては「醜い、こんな花のどこが美しいというのか」と吐き捨てるようになった。

自那一刻起,原本溫柔的少年彷彿變了一個人。 他對母親也好、對格爾達也好,張口便是冰冷無情的話;看見玫瑰花,便皺著眉頭說:「醜死了,這種花究竟有什麼美? 」轉身吐出一口唾沫。

冬がやってきたある日、カイは広場へそりを引いていった。子どもたちが大きな馬車のそりにこっそりつないで遊ぶのを真似て、カイは自分のそりを、ふいに広場へ現れた純白の大そりに結びつけてしまった。

那年冬天的一日,凱伊拉著自己的小雪橇來到了廣場上。 看到其他孩子偷偷把雪橇綁在馬車的大雪橇後面玩耍,他也學著把自己的雪橇綁在了一輛突然出現的純白色大雪橇後面。

その大そりに乗っていたのは、人の目から見たこともないほど美しく、しかし恐ろしいほど冷たい女性、すなわち雪の女王であった。彼女のそりは音もなくはるか北へと走り去り、カイは一片の声も上げる間もなく、女王とともにどこかへ連れ去られてしまった。

那輛大雪橇上,坐著一位世人從未見過的絕世美人——她美得令人窒息,卻又冷得叫人毛骨悚然,正是那位冰雪女王。 她的雪橇悄無聲息地向遙遠的北方馳去,凱伊連一聲呼喊也來不及發出,便被一道帶到了不知何處。

春が巡ってきても、カイはついに町へ戻らなかった。みなが「カイは死んだのだろう」と諦めかけている中、ゲルダだけは「たとえこの命を賭けてでも、必ずカイを見つけ出してみせる」と固く決意した。

春天來了又去,凱伊卻始終沒有回到小鎮。 所有人都開始死心地說「凱伊大概已經死了吧」,唯獨格爾達暗下決心:「就算賠上我自己這條命,我也一定要把凱伊找回來。 」

新しい赤い靴をお供えのように川に流して幸運を祈ると、彼女は小舟に乗って一人北を目指して旅立った。途中、彼女は薔薇好きの魔法使いのお婆さんに引き留められ、何度も思い出を遠ざけられそうになりかけた。

她將自己的新紅鞋當作祭禮似的放入河中祈福,然後獨自乘上一葉小舟,向北方進發。 途中,一位愛花的魔法老婆婆將她留下,差點讓她忘記了所有思念。

それでも自分の使命を思い出した彼女は、お婆さんの家を抜け出し、再び旅を続けた。秋になり、たどり着いた森の中では、賢いカラスが「北の宮殿でカイらしき少年を見かけた」と教えてくれた。

然而想起自己的使命之後,她還是悄悄溜出了老婆婆的家,繼續踏上了北行的旅程。 秋天到來時,她在一座森林裡遇到了一隻聰明的烏鴉,烏鴉告訴她:「我在北方的一座宮殿裡,見過一個長得很像凱伊的男孩。 」

森を抜けた先では、山賊の娘たちに捕らえられ、命を落としかねない危機にも遭った。だが、その娘たちの中の心優しい一人がゲルダの事情を聞いて深く同情し、自分のトナカイを彼女に貸し与えてくれたのだった。

走出森林之後,她又被一夥強盜的女兒們抓住,險些丟了性命。 所幸其中有一個心地善良的姑娘聽了格爾達的來龍去脈,深為感動,便把自己的馴鹿借給了她。

トナカイの背に乗り、ゲルダはひたすら北を目指して走り続けた。途中の凍てつく地で出会った賢いお婆さんは、「あなたの素朴な心こそが、何にも勝る力なのです」とゲルダに告げて送り出してくれた。

格爾達騎上馴鹿,一路朝著北方風雪兼程。 在一處冰天雪地裡遇見的一位睿智老婆婆,對她說:「正是你那顆純樸的心,才是這世上最強的力量。 」說罷便目送她繼續前行。

ついにたどり着いた雪の女王の宮殿は、見渡す限り氷で築かれた、生命の気配のない冷たい城であった。広間の中央には、心まで完全に凍りついたカイが、ばらばらの氷の破片を黙々と組み立てていた。

當格爾達終於來到冰雪女王的宮殿時,眼前是一座一望無際、用冰塊砌成的、毫無生氣的冰冷城堡。 大廳正中央,凱伊已經心如寒冰,獨自一人默默地拼著一堆零零散散的冰塊。

ゲルダはカイの姿を見るや否や、こらえきれずに駆け寄り、「カイ、私はずっとあなたを探していたのよ」と泣きながら彼に抱きついた。

格爾達一眼看見凱伊,便再也控制不住,飛奔上前一把抱住他,哭著喊道:「凱伊,我一直、一直在找你啊。 」

彼女の温かい涙がカイの胸に落ちると、心臓に刺さっていた悪魔の鏡の欠片が、するすると溶けて流れ出した。同時に、目に入っていた小さな破片も、滝のような涙と一緒に流し出された。

當她溫暖的淚水落到凱伊胸口上時,扎在他心臟裡的魔鬼鏡子碎片,悄無聲息地融化滑落。 與此同時,扎進他眼裡的小小碎屑,也被瀑布般的淚水一併沖了出來。

「ゲルダ、こんなに冷たいところで、いったい僕は今まで何をしていたんだろう」とカイはようやく正気を取り戻し、二人は再会の喜びに声を上げて泣いた。

「格爾達,我怎麼會在這樣冰冷的地方……我剛才到底在做什麼呢? 」凱伊終於恢復了神智,兩人為重逢的喜悅放聲大哭。

二人は手を取り合って氷の宮殿を後にし、長い長い帰り道を一歩ずつ、故郷の町へと向かって歩き始めた。

兩人手牽著手離開了冰雪宮殿,朝著故鄉的小鎮,一步一步地踏上了漫漫歸途。

苦難の末に懐かしい町へ帰り着いた時、二人は自分たちがいつのまにかすっかり大人へと成長しつつあることに気がついた。悪魔の鏡が引き起こした恐ろしい出来事は、もはや遠い昔の夢にすぎなかった。幼い頃と変わらぬ深い愛情を胸に抱きながら、カイとゲルダはその後も、ともに穏やかな日々を送ったということである。

歷盡千辛萬苦終於回到熟悉的小鎮時,他們才發現,自己不知不覺間已經長成了亭亭玉立的青年男女。 魔鬼鏡子所帶來的那場可怕的災難,如今只不過是遙遠的童年舊夢。 懷抱著兒時一樣深厚的情感,凱伊與格爾達此後也始終攜手度過了平靜而幸福的歲月。

— 完 —