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JLPT N2故事

竹取物語竹取物语

最古の物語とされる、かぐや姫の完全版。被认为是日本最古老的故事——辉夜姬的完整版。

今は昔、竹取の翁と呼ばれる老人がいた。彼は毎日のように野山に分け入って竹を切り取り、生活に必要なさまざまな道具にこしらえては、町でそれを売って細々と暮らしを立てていた。

很久很久以前,有一位被人们唤作「竹取翁」的老人。 他每天都要走进山野去砍竹子,把它做成日用所需的各种器具,再拿到镇上去卖,靠这点微薄的收入勉强维持生计。

ある日のこと、いつものように竹林に踏み入った翁は、奥のほうで一本だけ根元がぼうっと光り輝いている竹を見つけた。不思議に思って近寄ってみると、なんとその竹の筒の中では、小さな手のひらほどの女の子が、ちょこんと座っているではないか。

一天,他像往常那样走进竹林,忽然在林子的深处看到一根竹子的根部正泛着一层柔和的光。 他心中讶异,凑近一看,竟然在那截竹筒里,端端正正地坐着一个仅有手心大小的女孩儿。

「これはきっと天が私のもとへ授けてくれた子に相違ない」と翁は思い、その子をそっと両手に抱えて家へと連れて帰った。子のなかった老夫婦にとって、この出会いはまさに長年の願いがかなった奇跡にほかならなかった。

「这孩子定是上天赐给我的吧。 」老翁这般想着,便用双手轻轻地把她托起来,带回了家。 对于膝下无子的老夫妻来说,这场相遇正是多年夙愿终于得偿的奇迹。

その日を境に、翁が竹を取りに行くたびに、黄金がぎっしりと詰まった節を持つ竹を立て続けに見つけるようになった。家はみるみるうちに豊かになり、もはや細々とした暮らしは過去のものとなったのである。

自那一日起,老翁每次去砍竹子,都接连发现一根根竹节里塞满黄金的竹子。 家境眼看着便一日富过一日,从前那种紧巴巴的日子,转眼间已成了过去。

不思議なことに、その娘はわずか三ヶ月のうちに一人前の女性へと成長を遂げ、世にも稀なほどの美しさを備えていた。やがて村の長老たちが集まり、彼女に「かぐや姫」という名を授けた。

不可思议的是,那个女孩儿只用了短短三个月,就长成了一位亭亭玉立的女子,容貌之美在世上也极为罕见。 村里的长老们随即聚到一处,给她起了一个名字,叫作「辉夜姬」。

かぐや姫の美しさといったら、見た者は誰一人として目を奪われずにはいられないほどであった。その噂はあっという間に都にまで届き、身分の高い貴公子たちまでもが、競って彼女に結婚を申し込みに来るようになった。

辉夜姬的美貌简直无人能与之相比——任谁看上一眼,都难免被她深深地吸引住。 她的名声转瞬便传到了京城,连身份高贵的公子们也纷纷争相前来求婚。

中でも特に熱心だったのは、五人の高貴な公達であった。彼らは何としてもかぐや姫を妻にしようと、毎日のように翁の家の前に押しかけ、頭を下げ続けた。

其中最为执着的,是五位出身高贵的公子。 他们打定主意要娶辉夜姬为妻,每天都来到老翁家门前低头央求,决不轻易作罢。

困り果てたかぐや姫は、一計を案じ、五人それぞれに別々の難題を出すことにした。仏の御石の鉢、蓬莱の玉の枝、火鼠の皮衣、龍の首の珠、燕の子安貝——およそ普通の人間の力では手に入れようがないものばかりであった。

难以推辞的辉夜姬左思右想,最终决定给五人各出一道几乎不可能完成的难题。 佛祖的石钵、蓬莱山的玉枝、火鼠的皮裘、龙颈下的宝珠、燕窝里的子安贝——任凭哪一件,都是寻常人力难以企及的稀世奇宝。

五人の公達は意気込んで宝を探しに出かけたものの、ある者は偽物にだまされ、ある者は嵐に遭って命を落としかけ、結局、誰一人として本物を持ち帰ることはできなかった。

五位公子皆豪气干云地启程寻宝,可最终却落得各种下场——有人被赝品所骗,有人遭遇暴风险些丧命,无一人能将真品带回到辉夜姬面前。

かぐや姫の評判を伝え聞いた帝もまた、彼女の美しさを一目見ようと、自らお忍びで翁の家を訪ねるほどであった。しかし姫は、帝の前でさえ姿を消そうとし、決して首を縦に振ることはなかった。

听闻辉夜姬美名的皇上也按捺不住,竟然亲自乔装出访,跑到老翁家里只为亲眼一睹其容颜。 可辉夜姬即便面对皇上,也想要隐身而退,丝毫不肯点头答应。

それでも帝は諦めず、かぐや姫のもとに繰り返し歌を贈り続け、姫もまた礼儀正しく歌を返した。二人の間には、結ばれることのない不思議な情のような絆が、しずかに育っていったのであった。

然而皇上并未死心,仍然不断派人将御制的和歌送到辉夜姬手中,姬也以礼相对,工整地一一回赠。 两人之间,慢慢生出了一份注定无缘相结的奇妙情谊。

やがて秋が深まり、夜空に満月がひときわ美しく輝く頃になると、かぐや姫は毎夜縁側に座っては月を見上げて、深いため息をつくようになった。心配した翁が幾度も理由を尋ねた末に、姫はついに重い口を開いた。

不知不觉间,秋色渐深,每逢满月在夜空中皎洁如洗地升起时,辉夜姬便每夜独自坐在廊下抬头望月,幽幽地长叹。 担忧不已的老翁屡次追问缘由,姬终于沉沉地开了口。

「実は、私はもともとこの国の人間ではなく、月の都の住人なのです。次の満月の夜には、迎えの者が降りてきて、私を月へと連れ帰ることになっているのです」と、彼女は涙ながらに打ち明けた。

「实不相瞒,我本就不是人间之人,乃是『月之都』的居民。 下个满月之夜,便会有迎接我的人从天上降临,要把我接回月亮上去。 」她含泪如此说出了真相。

翁とその妻は、わが子を奪われるかのような深い悲しみに沈んだ。話を聞いて驚いた帝は、何としてもかぐや姫を守り抜こうと、数千人の屈強な兵士を翁の家の周囲にぐるりと配備した。

老翁和老妻顿觉如同亲生骨肉将要被人夺走,悲痛万分。 听说此事大为震惊的皇上下令,无论如何也要守住辉夜姬,便派出数千名身经百战的勇士,把老翁家团团围住。

いよいよ運命の満月の夜が訪れた。月の中ほどから、目もくらむほどのまばゆい光がさしてきたかと思うと、その光の中から、雲に乗った天人の一行がしずしずと地上へと降りてきた。

命中注定的满月之夜终于到来。 月轮中央射出一道令人无法直视的耀眼光芒,紧接着,一队乘着祥云的天人队伍便从那光芒中徐徐降到了地上。

兵士たちは矢を放とうとしたが、その光に目がくらみ、手も足も思うようには動かなかった。とても戦うどころではなく、ただ立ち尽くすほかなかったのである。

兵士们想要张弓搭箭,可那道光照得他们眼花缭乱,手脚也不听使唤。 哪里还谈得上交战,他们只能怔怔地站在原地,束手无策。

天人の長は厳かに告げた。「かぐや姫は罪あって地上に下されたが、その時もすでに満ちた。もはや一刻も留まることはできぬ」と。

天人的首领神情庄严地宣告:「辉夜姬当年因有罪被贬至人间,刑期如今已满。 她无法再在此地多停留哪怕一刻。 」

かぐや姫は涙にむせびながら、翁と妻に深々と頭を下げ、これまで育ててくれた恩を心からの言葉で謝した。そして、別れの記念にと、帝への手紙と不死の薬を残し、天の羽衣をまとった。

辉夜姬含泪深深叩拜老翁夫妇,发自肺腑地谢过他们多年的养育之恩。 随后,她将一封写给皇上的书信与一瓶不死之药留作离别的纪念,披上了天人之羽衣。

羽衣を肩に羽織った瞬間、かぐや姫の心からは地上の記憶も愛着もすうっと消え去り、振り返ることもなく月の都へと昇っていったのである。

羽衣一披上肩头,辉夜姬心中关于人间的所有记忆与眷恋便霎时消散,她头也不回,径直向月之都升去了。

残された翁夫婦は、悲しみのあまり食事も喉を通らず、なすすべもなくただ泣き暮れるほかなかった。後に帝は、不死の薬を「姫のいない世で長生きしても何になろうか」と嘆き、駿河の国の山頂で焼かせたという。その煙が今も絶えず立ち上り続けているのが、富士の山だと語り伝えられている。

被留下的老夫妇悲伤至极,连饭也咽不下,只能终日以泪洗面。 后来,皇上望着那瓶不死之药慨叹:「公主既已不在,纵使长生不死,又有何意义? 」便命人将其抬到骏河国的山顶上焚毁。 那缕青烟据说至今仍在山顶袅袅升腾不息——人们说,那座山便是富士山。

— 完 —