コミュニケーションの進化

祖母の手紙の束からAIの代筆まで、伝え合うことの変遷を辿る随筆。

祖母の箪笥の引き出しを開けると、色褪せた手紙の束が几帳面に紐で結ばれて並んでいる。差出人は祖父であり、戦地から、出張先から、あるいは隣町の宿から、几帳面な万年筆の字で日々の些事を綴ったものだ。一通読むのに数分とかからないが、その一通が届くまでに祖母は幾日も待った。待つという時間そのものに意味が宿っていたことは、想像にかたくない。

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