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JLPT N4物語

一寸法師

小さな男の子が大きな鬼を退治するお話。

昔々、ある村に、子供がいないおじいさんとおばあさんが住んでいました。二人は毎日のように神様にお願いしていました。「指ほどの大きさでもいいですから、どうか私たちに子供をください」。

すると、その願いが聞こえたのでしょう、ある日、本当に小さくて可愛い男の子が生まれました。身長が一寸しかなかったので、二人はその子を「一寸法師」と名付けました。

一寸法師は何年たっても少しも大きくなりませんでしたが、心はとても強い男の子でした。十五歳になった時、彼はおじいさんとおばあさんに言いました。「京の都へ行って、立派な侍になるつもりです」。二人は心配しましたが、息子の気持ちを応援することにしました。

おばあさんはお椀の船と、箸のかいを作ってくれました。おじいさんは、針の刀と麦の鞘を渡しながら「気をつけて行ってきなさい」と言いました。

一寸法師はお椀の船に乗って、川を下って都へ向かいました。何日もかかってやっと着いた都で、彼は一番大きな屋敷の門の前に立ちました。「働かせてもらえませんか」と頼むと、屋敷のお殿様は彼の元気な様子を見て、すぐに気に入りました。

屋敷には美しいお姫様がいて、一寸法師は彼女の世話をするように言われました。お姫様も、勇気のあるこの小さな侍がだんだん好きになっていきました。

ある日、一寸法師はお姫様と一緒にお寺へ出かけました。その帰り道、突然大きな鬼が二人の前に現れました。鬼は「綺麗な娘だ。連れて行こう」と言って、お姫様の手を掴もうとしました。

一寸法師は針の刀を抜いて鬼に向かいましたが、鬼は笑って彼を口の中に飲み込んでしまいました。「これで終わりだろう」と鬼は思いました。

しかし、お腹の中で一寸法師は針の刀を使って、何度も何度も鬼を刺し始めました。「痛い、痛い、もうやめてくれ」と鬼は泣きました。我慢できなくなった鬼は、口から一寸法師を吐き出して、何かを落としたまま、大急ぎで山の方へ逃げていきました。

鬼が落としたものは、「打出の小槌」という不思議な道具でした。何でも願いを叶える宝物だと、お姫様が教えてくれました。

「一寸法師を大きくしてください」と、お姫様が祈りながら小槌を振ると、彼の体がだんだん大きくなっていきました。立派な大人の侍の姿になった一寸法師は、お姫様と結婚することになりました。二人は都で、いつまでも幸せに暮らしたそうです。

— 完 —