昔々、ある村に、子供がいないおじいさんとおばあさんが住んでいました。二人は毎日のように神様にお願いしていました。「指ほどの大きさでもいいですから、どうか私たちに子供をください」。
すると、その願いが聞こえたのでしょう、ある日、本当に小さくて可愛い男の子が生まれました。身長が一寸しかなかったので、二人はその子を「一寸法師」と名付けました。
一寸法師は何年たっても少しも大きくなりませんでしたが、心はとても強い男の子でした。十五歳になった時、彼はおじいさんとおばあさんに言いました。「京の都へ行って、立派な侍になるつもりです」。二人は心配しましたが、息子の気持ちを応援することにしました。
おばあさんはお椀の船と、箸のかいを作ってくれました。おじいさんは、針の刀と麦の鞘を渡しながら「気をつけて行ってきなさい」と言いました。
一寸法師はお椀の船に乗って、川を下って都へ向かいました。何日もかかってやっと着いた都で、彼は一番大きな屋敷の門の前に立ちました。「働かせてもらえませんか」と頼むと、屋敷のお殿様は彼の元気な様子を見て、すぐに気に入りました。