むかしむかし、右の頬に大きなこぶのあるおじいさんが住んでいました。働き者だったので、こぶがあっても気にせず、いつものように山へ木を切りに出かけていました。
ある日の夕方、空がにわかにかき曇り、激しい雨が降り出しました。おじいさんは大きな木のうろを見つけ、そこでしばらく雨やどりをすることにしました。やがて疲れて、うろの中でうとうとしてしまったのです。
真夜中、外からにぎやかな笛や太鼓の音が聞こえてきました。そっとのぞいてみると、ぞっとするような姿の鬼たちが、たき火を囲んで宴会を開いていたのです。
鬼たちはお酒を飲んだり歌ったりして、それは楽しそうでした。最初はこわくてふるえていたおじいさんも、見ているうちにだんだん気持ちがうきうきしてきました。
おじいさんはもともと踊りが大好きだったので、こぶがあるにもかかわらず、思わず外へ飛び出し、鬼たちの輪の中で踊り始めました。手や足の動きはなめらかで、表情も生き生きとしています。