むかしむかし、右の頬に大きなこぶがあるおじいさんがいました。ある日、山で木を切っている最中に雨が降り出し、おじいさんは木の洞に隠れました。夜になると、外からにぎやかな声が聞こえてきました。
こっそりのぞいてみると、たくさんの鬼たちが宴会をしていました。お酒を飲んだり踊ったりしているのを見て、おじいさんも楽しくなり、つい外に飛び出して一緒に踊り始めました。おじいさんの踊りがあまりにも面白かったので、鬼たちは大喜びしました。
「明日も必ず踊りに来い。約束を破らないように、お前のこぶを預かっておく」と鬼の親分は言い、おじいさんの頬からこぶをきれいに取ってしまいました。こぶがなくなって、おじいさんは大喜びで家に帰りました。
この話を聞いた、左の頬にこぶがある隣のおじいさんは、「自分もこぶを取ってもらおう」と考えました。その夜、隣のおじいさんは鬼たちの宴会に行き、無理やり踊りの輪の中に入りました。
しかし、隣のおじいさんの踊りはとても下手でした。鬼たちは怒って、「こんな下手な踊りは見たくない。こぶは返してやるから帰れ」と言い、昨日取ったこぶを隣のおじいさんの右の頬にくっつけてしまいました。結局、隣のおじいさんはこぶが二つになってしまいました。