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JLPT N1会話

法律相談

不当な扱いを受けた依頼者が弁護士に助言を求める。

弁護士

まずは事実関係をご整理させてください。長年勤め上げた会社から、ある日突然、事実上の退職強要を受けたとのことですね。

依頼者

はい。表向きは一時的な出向という名目ですが、それは単なる体のいい口実に過ぎません。業績不振にかこつけて、中高年社員を不当に排除しようとしているのは、もはや明らかです。

弁護士

出向の打診を受けた際、どのような言葉を投げかけられたか、覚えていらっしゃる限りお話しいただけますか。具体的な発言が、後々重要な証拠となります。

依頼者

「君のような年配者に居場所はもうない」「自主的に身を引いてくれれば退職金を上乗せする」と、人事部長から面と向かって言われました。あまりの屈辱に、声を失うばかりでした。

弁護士

それは紛れもなく退職強要に該当する発言です。当時、録音をなさっていたか、あるいは同席者がいたかどうか、いかがでしょう。

依頼者

幸い、念のため携帯のボイスメモを起動しておりました。同期入社の同僚も、私が憔悴していく様子を目の当たりにしておりますので、必要であれば証言は得られるかと存じます。

弁護士

それは大変心強い証拠です。録音データとメールの履歴を確認する限り、法廷で十分に争える余地がございます。経営難を盾にしたところで、労働者の権利を蔑ろにするような横暴は、決して許されるものではありません。

依頼者

しかしながら、大企業を相手に裁判を起こすとなれば、莫大な時間と費用がかかるのではないでしょうか。家族の生活を守らんがため、泣き寝入りするしかないのかと、途方に暮れております。

弁護士

ご不安はもっともです。ただ、いきなり訴訟に踏み切るのではなく、まずは内容証明郵便で当方の主張を伝え、その上で労働審判に持ち込む方法もございます。労働審判であれば、原則三回以内の期日で結論が出ますし、費用も訴訟に比して大幅に抑えられます。

依頼者

労働審判ですか。それでも勝算はおありなのでしょうか。

弁護士

証拠の質と量からして、決して低くはありません。仮に審判で納得のいく結果が得られなければ、改めて訴訟に移行することも可能です。いずれにせよ、ここで妥協してしまえば、彼らの不当なやり方を容認したも同然となってしまいます。

依頼者

先生のお話を伺って、ようやく光が見えてきた気がします。法という名の武器をもって、奪われた尊厳を取り戻したいと存じます。何卒、よろしくお願い申し上げます。

— 完 —