JLPT N4 に戻る
JLPT N4物語

桃太郎

桃から生まれた男の子が鬼を退治するお話。

昔々、ある山の近くの小さな村に、おじいさんとおばあさんが住んでいました。二人には子供がいなかったので、いつも「子供がいたら、どんなにいいだろう」と話していました。おじいさんは毎朝山へ柴を取りに行き、おばあさんは川へ洗濯に行くのが、二人の仕事でした。

ある日、おばあさんが川で洗濯をしていると、上の方から大きな桃が「どんぶらこ、どんぶらこ」と流れてきました。「こんなに立派な桃は見たことがない。おじいさんと一緒に食べよう」と思って、おばあさんは桃を家に持って帰ることにしました。

夕方、おじいさんが帰ってきて桃を切ろうとすると、中から元気な男の子が飛び出してきました。二人は驚きましたが、「神様がくださった子に違いない」と思って、「桃太郎」という名前をつけて大切に育てました。

桃太郎はご飯を食べるたびにどんどん大きくなり、村で一番強い男の子になっていきました。ある日、桃太郎は村の人たちが困っているのを聞きました。「最近、鬼ヶ島から鬼が来て、お米や宝物を盗んでいくんです」。

桃太郎はおじいさんとおばあさんに「僕が鬼ヶ島へ行って、鬼を退治するつもりです」と言いました。二人は心配しましたが、息子のために日本一おいしいきびだんごを作ってあげました。

桃太郎が道を歩いていると、大きな犬が出てきて「そのきびだんごを一つくれたら、お供します」と言いました。少し行くと、今度は猿が、そしてその次にはキジも仲間になりました。

四人は船に乗って、波の上を鬼ヶ島へ向かいました。島に着くと、ちょうど鬼たちが酒を飲んでいるところでした。桃太郎が「鬼を退治しに来た」と大きな声で叫ぶと、鬼たちは慌てて武器を取り出しました。

戦いは激しいものでした。犬は鬼の足にかみつき、猿は木の上から石を投げ、キジは空から鬼の目を狙いました。桃太郎は刀を持って、鬼の親分と何度も戦いました。

親分はだんだん弱くなって、ついに「もう悪いことは絶対にしないので、許してください」と泣いて謝りました。桃太郎は「次に村の人を困らせたら、もう許さないぞ」と言って、鬼が盗んだ宝物を全部返してもらいました。

桃太郎と動物たちが村へ帰ってくると、おじいさんとおばあさんは涙を流して喜びました。村の人たちも宝物を分けてもらって、その夜は大きなお祭りを開きました。それから桃太郎は、おじいさんとおばあさんと一緒に、ずっと幸せに暮らしたそうです。

— 完 —