むかしむかし、イタリアのある町に、ゼペットという木彫り職人のおじいさんが住んでいました。長年一人暮らしを続けていた彼は、ある日、子どものような木の人形を彫り上げ、ピノキオと名付けました。
「この子が本物の息子になってくれたらなあ」とゼペットがつぶやいたその夜、夢の中で青い髪の妖精が現れました。妖精は「いつかは本当の子になれます。ただし、正直で勇気のある子であればこそ、ですよ」と告げたのです。
翌朝、ゼペットが目を覚ますと、ピノキオはもう自分の足でぴょんぴょんと歩いていました。おじいさんは涙を流して喜び、自分の上着を売って教科書を買い、ピノキオを学校に通わせることにしました。
ところが、学校へ向かう途中、ピノキオはにぎやかな人形劇のテントに引き寄せられ、せっかくの教科書を売ってまで中へ入ってしまいました。家で待っているゼペットのことなど、すっかり頭から消えていたのです。
その帰り道、ずる賢いキツネとネコが現れて、「この畑にお金を埋めれば、明日には木になって何倍にも増えるよ」とうまい話を持ちかけました。ピノキオはその話をすっかり信じ、手持ちのお金を全部奪われてしまいました。