(光や太陽が)入ってきて明るくなること。窓や隙間から光が射し込むときに使う。
朝、窓から日が差して部屋が明るくなった。
木漏れ日が差す公園を散歩した。
雲の間から太陽が差した瞬間、空がきらりと光った。
(物や形が)かすかに見え始めること。姿や輪郭が現れてくる場合に使う。
早朝、霧の中に向こう岸がようやく差して見えた。
遠くの山の輪郭が薄く差してきた。
(色や表情が)わずかに加わること。頬や空などに淡い色や感じが現れる場合に使う。
彼女の頬に赤みが差した。
夕焼けが空に淡い朱色を差している。
その話を聞いて彼の顔に不安の色が差した。
(潮や水などが)入り込んで水位が上がること。潮が満ちてくる場合に使う。
満潮で海水が川に差してきた。
干潮から満潮にかけて潮が差してきたので堤防に注意した。
突然、ある感情や気配が急に心に生じること。「気が差す」「魔が差す」のように使われることがある。
ふと胸に不安が差した。
魔が差して、窓を開けてしまった(※「魔が差す」の用法)。
(傘などを)差して持つこと。傘をさす、日傘を差すなど、上にかざして守る動作に使う。
雨が降ってきたので、彼は傘を差した。
彼女は日差しを避けて日傘を差した。
駅で待っている間、母が子どもに傘を差してあげた。
舞踊などで、腕を前方にまっすぐ伸ばす動作を表す。踊りの所作として使われる。
舞台で彼女は優雅に右腕を前に差してポーズをとった。
物を差し入れること。髪にかんざしを差す、カードを差すなど、何かを挿入・取り付ける動作に使う。
彼女は髪にかんざしを差した。
写真立ての後ろに手紙をそっと差しておいた。
刀などを帯に差して身につけること。刀を帯に入れて携行する表現。
侍は脇差を帯に差して町を歩いていた。
祭りの時、古式の衣装に刀を差す役割の人がいた。
相撲で、相手の脇の下に腕を入れて組むこと(相撲用語)。
力士は右腕を相手の脇に差して勝負を決めた。
舟を進めるために棒や竿で地面や水底を突いて押すこと(舟を差す)。
浅瀬で棒を使って小舟を差しながら進んだ。
液体を注ぐ、つぐ、供すること。飲み物を客に差し出す場合などに使う。
客にお茶を差してから席に着いた。
彼は盃に酒を差して乾杯を促した。
口紅や化粧などを塗る、つけること。色をさす表現に使われることが多い。
鏡を見ながら口紅を差した。
舞台用に頬に紅を差して準備を整えた。
火をつける、火を入れて燃やすこと。たいまつや焚き火などに火を付ける場面で使う。
夜になって松明に火を差した。
戸や扉を閉める・固定すること(古い表現や地域差のある用法)。鍵を差すなどと関連して使われることがある。
夜になり、店主は戸を差して商店を閉めた(やや古い言い方)。
動詞のます形の語幹に付いて『途中でやめてしまう』『〜し残す』の意味を表す接尾辞的用法(現代では古風・限られた用法)。
(古風)彼は読み差して本を閉じた。