1ある時点・瞬間。「その時」「あの時」のように、過去や未来の特定の時を指す名詞。文中で「〜時に」「〜時は」の形で副詞的にも使う。時を細かく刻む意で「刻」、決定的な時期の意で「秋」と書く文学的用法もあるが、現代の一般的な表記は「時」。
その時、彼は静かに部屋を出て行った。
初めて日本に来た時のことを今でも覚えている。
時の流れは思っているより速い。
時を忘れて本を読みふけった。
2ある場合・場面・状況。「〜の時は」「〜する時は」の形で、何かが起きる場面や条件を表す。条件節の代わりにも使える基本表現。
必要な時はいつでも電話してください。
病気の時は無理をしないでください。
雨が降った時は試合が中止になります。
困った時は、誰かに相談したほうがいい。
3好機・機会。あることをするのに適した時期や、絶好の瞬間を表す。
今がチャンスだ、時を逃すな。
留学するならいい時が来た。
時を見て、上司に話を切り出した。
4時代・世の中のあり方。「時は変わる」「時の流れに身を任せる」のように、社会や歴史的な時代を指す用法。
時は変わった。昔のやり方はもう通用しない。
若い時には気付かなかったことが、年を取ると分かる。
5文法用語としての「時」(テンス)。動詞などの形が表す過去・現在・未来といった時間関係を指す、言語学の専門語。日常会話ではほとんど使わない。
日本語の時の体系は、英語のそれほど細かくない。
この章では動詞の「時」と「相」について解説する。