液体や物を(ある場所から)流れるようにする。水を抜く・注ぐ・涙や血を出す、といった「流れる状態にする」動作。
浴槽の水を栓を抜いて流した。
彼は感動して涙を流した。
グラスにワインをゆっくりと流した。
事故で腕から血を流していたが、命に別条はなかった。
丸太や手紙などを水に乗せて下流へと運ばせる(流す・漂わせる)。物を水や海に流して漂わせること。
製材所は丸太を川に流して下流へ運んだ。
子どもたちは瓶に手紙を入れて海に流した。
古い木の舟を修理してから、静かに川に流した。
水や力が物を押し流して取り去る。流失・洗い流すという意味で、何かを運び去る・除くこと。
大雨で川が増水し、橋を流してしまった。
強い雨は畑の肥料を流してしまった。
洗剤で手の油をよく流した。
音声や映像を放送する、音楽をスピーカーで流す、または電流を送るなど、情報や電気を伝える・出すこと。
ラジオ局は試合の様子を全国に流した。
店内で最新のヒット曲を流している。
回路に電流を流して動作を確認した。
噂や情報、資料などを広く回す・配る・流布させること。意図的に情報を出す場合も含む。
誰かがネット上にその動画を流したようだ。
市役所は防災の注意報を全世帯に流した。
彼らは根拠のない噂を意図的に流した。
タクシーなどが客を探して街中を巡回する、あるいは営業目的であちこち回る(自動車などについて『流す』)。
夜になるとタクシーが駅前を流して客を探している。
営業のドライバーが街を流して新規の顧客を探した。
会議や計画、法案などを中止・見送る、または審議を打ち切る・つぶすように扱うこと(スケジュールを流す=取りやめる)。
部長は急な事情で明日の会議を流した。
その法案は委員会で事実上流された。
作業量が多くて計画を部分的に流すことにした。
(将棋などで)駒を犠牲にして局面を変えること。ここでは特に『歩を流す』など、持ち駒を捨てる・犠牲にする手。
将棋で意図的に歩を流す戦法がある。
力を入れずにゆったりやる、あるいは流れるようにスムーズに行うという意味で、軽くこなす・手を抜いて行うこと。
今日は疲れているので、軽くジョギングを流してきた。
彼は練習でフォームをあまり気にせずに流していた。
人を遠くの土地に追放する、流刑にすること(歴史的・行政的な『流す』)。
幕府は反逆者を遠島に流した。
古い記録には、罪人が島に流されたと書いてある。
野球で、打者がボールを逆方向・外野方向に打つこと(逆方向に打ち返す打撃)。
彼は右打者だが、よく逆方向に流すヒッティングをする。
動詞のます形の語幹に付いて『~しながら注意を払わないで行う』という意味を作る接尾語的用法(例:聞き流す)。
授業の内容をただ聞き流すだけでは身につかない。
ポッドキャストを聞き流しながら家事をした。
広告は聞き流してスキップした。
胎児を流す(中絶する、妊娠を終わらせる)という意味で用いられる語。医学的・日常的に使われる場合があるが、センシティブな表現。
彼女は望まない妊娠を理由に中絶し、胎児を流す決断をした。