昔々、ある村に、長い間ご主人のために重い荷物を運び続けてきた、年老いたロバがいました。ところが、年を取って力がなくなってくると、ご主人は「もう役に立たないから、捨ててしまおう」と話しているようでした。

それを聞いたロバは「殺される前に、自分から逃げ出すしかない」と思い、家を抜け出しました。「ブレーメンという町へ行って、音楽隊に入るつもりだ」と、ロバは小さく一声鳴きながら、道を歩き始めました。

しばらく歩いていると、道端で疲れた様子の犬に出会いました。「私はもう年で、狩りができなくなったので、ご主人が殺そうとしています」と犬は言いました。ロバは「それなら一緒にブレーメンへ行こう。お前の声は犬の音楽にぴったりだ」と誘いました。

少し進むと、今度は道に座り込んでいる老いた猫に会いました。「鼠が捕れなくなったから、おばあさんに川へ捨てられそうなんです」と猫が泣くので、彼も仲間に加えました。

さらに進むと、明日スープにされそうな鶏も加わりました。

四匹はにぎやかに鳴きながら、ブレーメンを目指して歩き続けました。しかし、町まではまだ遠く、夜になってもなかなか着きません。森の中で泊まる場所を探していると、高い木の上から眺めていた鶏が「あそこに明かりが見える」と教えてくれました。