日本には「武道」と呼ばれる伝統的な武術があります。柔道、剣道、空手、合気道などが特に有名で、世界中に広く知られています。海外で武道を習っている人の数は、日本人をはるかに上回るとさえ言われています。
武道は、ただ強くなるためのものではありません。礼儀を重んじることこそ、武道の一番大切な教えだと言われています。試合の前後に必ずお辞儀をするのも、相手に対する敬意を示すためです。
武道を始める際には、まず先生や先輩へのあいさつを覚えます。道場に入るときも出るときも、深々と頭を下げるのが基本です。「礼に始まり礼に終わる」という言葉は、武道の精神を最もよく表していると言えるでしょう。
柔道は嘉納治五郎という人物によって作られ、現在ではオリンピックの正式な競技として採用されています。「相手の力を利用して投げる」という考え方が中心にあり、体の小さい人でも大きな相手に勝てるところに面白さがあります。
剣道では、竹刀を使って相手と打ち合います。「面」「胴」「小手」などの決められた場所を、声を出しながら正確に打たなければなりません。稽古を続けるうちに、集中力や忍耐力が自然と身についていくと言われています。
空手は素手で行う武道で、もともと沖縄で生まれたとされています。型と呼ばれる決まった動きを繰り返し練習するうちに、技だけでなく心も鍛えられるのです。世界中に道場があり、海外での人気は年々高まる一方です。
合気道は他の武道とは異なり、試合をしないという特徴があります。相手の力を流すように受け止め、けがをさせずに動きを止めることを目指します。攻撃ではなく調和を大切にする精神は、武道の中でも独特なものだと言えます。
武道を習っている子どもも多く、学校のクラブ活動としても人気があります。勝つことばかりが目的ではなく、負けたときにどう向き合うかを学ぶことも、武道の大切な部分です。礼儀正しく挨拶ができるようになるからと、子どもに武道を習わせたい親も少なくありません。練習が厳しい分、上達したときの喜びはきっと大きいに違いありません。
武道の精神は、日本人の日常生活にも影響を与えています。努力を続けることや、相手を尊重すること——これらはすべて武道から生まれた大切な考え方です。スポーツの場面はもちろん、仕事や人間関係においても、武道の教えは静かに生き続けているのです。