東京の朝の通勤ラッシュは、世界的にも有名な光景です。乗車率が百八十パーセントを超える路線もあり、乗客は身動きが取れないほどの混雑の中で毎朝通勤しています。
満員電車の中には、暗黙のルールがいくつもあります。大声で話さないこと、リュックは前に抱えること、降りる人を先に通すこと。誰かに教わったわけでもないのに、乗客たちはこうしたマナーを自然と守っています。外国人にしては驚くべきことかもしれませんが、これは日本人にとっては当たり前の振る舞いなのです。
通勤時間の長さも、日本の都市部における大きな問題です。片道一時間以上かけて通勤する人は珍しくなく、往復で二時間以上を電車の中で過ごす人も少なくありません。立ちっぱなしの長時間通勤は、体力的にも精神的にも負担が大きいと言わざるを得ません。
こうした状況にもかかわらず、多くの人が文句を言うことなく毎日同じ電車に乗り込みます。遅刻するわけにはいかないという責任感が、日本人を駅のホームへと向かわせるのでしょう。
しかし、近年はリモートワークの普及を契機に、通勤のあり方も変わりつつあります。週に数日は自宅で働くという選択肢が広まり、満員電車に乗らないで済む日も増えてきました。働く場所にこだわらない新しい文化が定着すれば、通勤ラッシュの問題も少しずつ改善されていくかもしれません。