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JLPT N2文化

建前と本音

社会の調和を保つための建前と本音の使い分け。

日本社会を理解する上で欠かせない概念の一つに、「建前」と「本音」があります。建前とは人前で見せる態度や発言のことであり、本音とは心の中で本当に思っていることを指します。

日本では、相手の気持ちを傷つけないために、本音をそのまま口にしないことが多いです。たとえば、誘いを断る際に「ちょっと予定がありまして」と曖昧に答えるのは、直接「行きたくない」と言うのを避けるためです。これは嘘というものではなく、人間関係を円滑に保つための知恵だと考えられています。

外国人にしてみれば、この習慣は理解しがたいかもしれません。相手が本当はどう思っているのか分からず、困惑することも少なくないでしょう。しかし、日本人にとっては、場の空気を読み、適切な建前を使うことが大人としての振る舞いなのです。

もっとも、建前ばかり使っていればいいというものでもありません。親しい友人や家族の間では本音で話すことが大切です。建前だけで人付き合いをしていると、信頼関係を築けないこともあり得るからです。

近年、若い世代を中心に、本音をもっと率直に伝えるべきだという意見も増えています。とはいえ、建前の文化が完全になくなるとは限りません。相手を思いやる気持ちに基づいたこの習慣は、日本社会の調和を支える大切な要素であり続けるでしょう。