1良い香りがする。花・香水・料理などが芳しいにおいを放つ。この意味では「匂う」と書く。日常会話では「いい匂いがする」と名詞「匂い」を使うほうが多く、動詞「匂う」はやや文学的・描写的な響きを持つ。
庭の梅の花がほんのり匂う朝だった。
お母さんからは、いつも石鹸がやさしく匂っていた。
焼きたてのパンがオーブンから甘く匂ってきた。
2悪いにおい・嫌なにおいがする、臭気を放つ。生ゴミ・汗・排水溝など、不快なにおいに対して使う。この意味では「臭う」と書く。話し言葉で「なんか臭うね」「これ臭ってない?」のように非常によく使われる。
夏場のゴミ箱は本当に臭う。
ねえ、なんかちょっと臭わない?
排水溝が詰まっているのか、台所が臭ってきた。
運動した後の体操服がひどく臭う。
3ほんのりと色や光を帯びて見える。古語的・文学的な用法で、花や夕焼け、肌などが美しく映えるさまを表す。現代の日常会話ではほとんど使われず、和歌・俳句・古典的な文章で目にする表現。
夕日に山々が赤く匂っていた。
桜花、匂うがごとく咲き満てり。
4ある気配・兆候・可能性を感じさせる。何かが隠れている、怪しい、それらしい雰囲気があるという比喩表現。口語では「なんか匂うな」のように、特に不審な感じや嘘の気配を指して使う。名詞形「〜の匂いがする」のほうがよく使われる。
この話、なんか匂うな。裏がありそうだ。
彼の証言には嘘が匂う。