1方向・方角・ある場所の側を表す語。「北の方」「海の方」のように、どちらの向きにあるか、どの方面にあるかを示すのに使う、もっとも基本的な「ほう」の意味。
駅は向こうの方にあります。
北の方から強い風が吹いてきた。
海の方を見ると、漁船が浮かんでいた。
音は教室の後ろの方から聞こえてきた。
2対立や交渉などの当事者の一方・立場を表す語。「私の方」「あなたの方」「相手方」のように、自分の側/相手の側を区別するのに使う。
私の方は予定通り進んでいますが、そちらはどうですか。
相手方の弁護士から連絡があった。
詳しいことは会社の方に確認してください。
3ある傾向・タイプ・グループに属するという意味の「ほう」。「明るい方」「インドア派の方」のように、二者をぼんやり対比する形で「どちらかというと〜の側」を表す。
彼は口数が少ない方だ。
私は辛いものはあまり食べない方です。
兄は背が高い方で、弟は低い方だ。
4学問・仕事などの分野や領域を表す「ほう」。「理工系の方」「営業の方」のように、専門・担当する分野を漠然と指すのに使う。
息子は理工系の方に進みたいと言っている。
仕事ではマーケティングの方が得意です。
芸術の方に興味がある学生が増えている。
5比較の一方を取り立てる用法。「Aより Bの方が〜」「〜の方がいい」の形で、二つを並べてどちらを選ぶか・どちらが上かを表す、N5レベルの最重要文型のひとつ。
ケーキより、アイスの方が好きです。
電車で行く方がバスより早いですよ。
今日は早く帰った方がいい。
迷ったら、安い方を選ぶようにしている。
6「方法・手段」を表す古風・文語的な「ほう」。「他に方が無い(ほかにほうがない)」のような決まり文句に残る程度で、現代日常語ではほぼ使われない。動詞に付けて『〜方(食べ方・使い方)』のように方法を表す形は別語で、こちらは「かた」と読む。
もう他に方(ほう)が無い、やってみるしかない。
7古典・歴史的な用法で、正方形の一辺の長さを示す「ほう」。「方一寸」「五尺方」のように「方+長さ」の形で『一辺〜の正方形』を表した。現代日本語ではほぼ使われず、「方丈(ほうじょう)」など熟語の中に残る。
庵は方一丈、つまり一辺が約三メートルの小屋であった。