むかしむかし、ある雪深い山の村に、貧しいけれども心の優しいおじいさんとおばあさんが二人で暮らしていました。子どもには恵まれませんでしたが、いつも互いを思いやり、静かに日々を過ごしていたのです。
很久很久以前,在一座大雪覆盖的山村里,住着一对虽然贫穷但心地善良的老爷爷和老奶奶。 两人虽未能有自己的孩子,但始终互相体贴,静静地度过着每一天。
ある冬の朝、おじいさんが薪を取りに山へ入ると、雪の上に一羽の鶴が倒れていました。罠にかかって動けずにいた鶴は、苦しそうに長い首をのばし続けていました。
一个冬天的早晨,老爷爷上山砍柴时,发现雪地里倒着一只仙鹤。 它被陷阱困住动弹不得,痛苦地伸长着脖子。
おじいさんはかわいそうに思い、慎重に罠を外して鶴を逃がしてやりました。鶴は何度も翼をはばたかせ、おじいさんに深々と頭を下げてから、白い空へと飛び去って行ったのです。
老爷爷觉得它可怜,便小心翼翼地解开陷阱,把仙鹤放走了。 仙鹤拍了好几次翅膀,朝着老爷爷深深地低头致意,然后向洁白的天空飞去了。
その夜、戸を叩く小さな音がしました。おじいさんが扉を開けると、雪まみれの美しい若い娘が立っていました。「道に迷ってしまったので、一晩泊めていただけないでしょうか」と娘は震えながら言いました。
那天夜里,传来轻轻的敲门声。 老爷爷打开门,门外站着一位浑身是雪的美丽姑娘。 「我迷了路,可不可以让我借宿一晚? 」她颤抖着问道。
おじいさんとおばあさんは喜んで娘を家に招き入れました。娘はとても働き者で、ご飯を炊いたり、家の掃除をしたりして、二人を実の親のように世話してくれました。
老爷爷和老奶奶高高兴兴地把她迎进了屋。 姑娘十分勤快,又是煮饭,又是打扫,把两位老人照顾得像亲生父母一般。
ある日、娘は遠慮がちに切り出しました。「ご恩返しに、わたしに布を織らせてください。ただし、機を動かしている間は、決して中をのぞかないと約束していただきたいのです。」
有一天,姑娘怯生生地开了口:「为了报答二老的恩情,请让我为您们织一匹布吧。 不过有一个请求,在织布机响着的时候,请绝对不要往房间里看。 」
おじいさんとおばあさんは不思議に思いながらも、その願いを聞き入れました。娘は奥の部屋にこもり、三日三晩、機の音だけが家じゅうに響き渡りました。
两位老人虽然觉得有些奇怪,还是答应了她的请求。 姑娘关进里屋,三天三夜里整间屋子都响着织布机不停的声响。
部屋から出てきた娘は、これまで見たこともないほどに美しい一反の布を差し出しました。市場へ持って行くと、布はびっくりするほどの高値で売れ、家の暮らしは一気に楽になりました。
走出房门的姑娘,向两位老人捧出了一匹他们从未见过的精美布料。 拿到市集上一卖,竟卖出了令人吃惊的高价,家里的日子一下子变得宽裕了。
「もう一度だけ織らせてください」と娘は言い、ふたたび部屋にこもりました。けれども今度は、娘の体は前よりずっと弱っているように見えました。
「请再让我织一次。 」姑娘这样说着,又一次走进了里屋。 可是这一回,她的身子看上去比上次虚弱了许多。
「あんな細い体で、どうしてあれほどの布を織れるのだろう」とおばあさんは不思議でしかたがありませんでした。とうとう我慢ができず、おばあさんは戸のすき間からそっと部屋の中をのぞき込んでしまったのです。
「那么瘦弱的身子,怎么能织出那样的布呢? 」老奶奶心里好奇得不得了。 终于忍不住,她悄悄地从门缝里偷偷往房间里瞧。
そこには娘の姿はなく、一羽の鶴が自分の羽根を一枚ずつ抜きながら、機を動かしていました。「あの娘の正体は、おじいさんが助けた鶴に違いない」と気づいて、おばあさんは思わず息をのみました。
里头并没有姑娘的身影,只见一只仙鹤正一根一根地拔下自己的羽毛,把它们编进布里。 老奶奶恍然大悟:「那姑娘的真身,一定就是老伴儿救下的那只仙鹤啊。 」她不禁屏住了呼吸。
機の音がぴたりと止んで、奥から出てきた娘は寂しそうに微笑みました。「わたしは、あの雪の朝に助けていただいた鶴でございます。ご恩をお返しするつもりでしたが、姿を見られたからには、もうここにはいられません。」
织布机的声响戛然而止,姑娘从里屋走了出来,露出了寂寞的笑容。 「我就是您们在那个大雪的早晨救下的仙鹤。 本想报答二位的恩情,但既然身份被看见了,我便再也不能留在这里了。 」
そう告げると、娘はみるみる白い鶴の姿に戻り、雪の舞う空へと静かに飛び去って行きました。あとには、織りかけのままの白い布と、しんとした機織りの音の余韻だけが残されていたということです。
话音刚落,姑娘便在两人眼前变回了那只白鹤,静静地朝着飞舞着雪花的天空飞走了。 据说,留在屋里的,只有那匹织到一半的洁白布料,和织布机停下后久久不散的余音。