ある夏の日のこと、アヒルのお母さんが卵を温めていました。次々と可愛いヒナが生まれましたが、最後の一つの卵からは、体が大きくて灰色の、少し見栄えの悪いヒナが生まれました。
「この子は他の子に比べてみにくい」と、周りの動物たちはその子をからかいました。みにくいアヒルの子は毎日いじめられるので、悲しくてたまらなくなり、とうとう家を逃げ出してしまいました。
冬がやってくると、アヒルの子にとって厳しい生活が続きました。寒さと飢えのせいで、何度も死にそうになりましたが、親切な人や動物たちに助けられながら、なんとか冷たい冬を乗り越えました。
春になり、アヒルの子は美しい湖のそばに行きました。そこへ、白くて美しい鳥たちが飛んできました。「あんなに美しい鳥たちに、僕が近づけるはずがない」とアヒルの子は思いました。しかし、鳥たちは彼を温かく迎え入れてくれました。
ふと水面を見ると、そこに映っていたのはみにくいアヒルではなく、美しい白鳥の姿でした。過酷な冬を乗り越えた結果、彼は立派な白鳥に成長していたのです。新しい仲間たちと一緒に、白鳥は青空へ向かって高く飛び立っていきました。