学生
先生、今回の課題である論文について、少し疑問に思う点があるのですが、ゼミの場でお伺いしてもよろしいでしょうか。
先生
ほう、どのあたりが気になったんだね。遠慮せずに言ってみなさい。批判的に読むのは、研究者として最も大切な姿勢だからね。
学生
はい。この論文の結論は、サンプル数が百人未満であることからして、少し強引すぎるのではないかと感じました。
先生
なるほど、鋭い指摘だね。確かに、統計的な信頼性の観点からいうと、十分なサンプル数とは言いがたいかもしれない。それで、君ならどう改善すべきだと考えるかい。
学生
そうですね。最低でも五百人規模のサンプルを集めた上で、改めて同じ仮説を検証すべきではないかと思います。それに、アンケートの対象者が特定の地域に限られているのも、結果の一般化を妨げる要因だと思います。
先生
その通りだ。調査方法に偏りがある以上は、結果を全国の傾向として一般化することはできないからね。さらに付け加えると、回答者の年代構成も偏っているという指摘もできるかもしれない。
学生
確かに、論文の表三を見ると、回答者の七割が二十代と三十代に集中しています。高齢者の意見が反映されていないことについても、検討する必要がありそうですね。
先生
よく気がついたね。したがって、この論文の主張をそのまま鵜呑みにするわけにはいかないという、君の結論に私も賛成だ。
学生
ありがとうございます。次回のゼミでは、この論文の問題点を整理した上で、改善案を提案するレポートをまとめてみたいと思います。
先生
ぜひそうしなさい。先行研究を批判的に読み、そこから新しい問いを立てる姿勢こそが、研究者にとって不可欠なのだよ。君の今後の発表を楽しみにしているよ。