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JLPT N3日常生活

騒音の悩み

上の階の足音に悩まされ、管理会社や手紙を通じて隣人と向き合うことになった、集合住宅での体験談です。

私が今のマンションに引っ越してきたのは、半年前のことです。駅から近くて家賃も手ごろで、最初はとても満足していました。ところが、住み始めて一週間も経たないうちに、上の階の足音がひどく気になるようになりました。

特に夜の十一時を過ぎたあたりから、ドスンドスンという音が天井から響いてきます。どうやら小さなお子さんがいるらしく、走り回る音や物を落とす音がするたびに、心臓まで揺れるような感覚になります。この騒音のせいで眠れない日が続き、翌朝の仕事にも集中できなくなりがちでした。

最初は「集合住宅なのだから、ある程度の生活音は仕方がないものだ」と自分に言い聞かせていました。耳栓を試したり、ホワイトノイズを流したりもしましたが、低い周波数の音はどうしても防ぎきれません。何度も引っ越しを検討しましたが、敷金や引っ越し代を考えると、簡単に決断できるわけではありませんでした。

我慢にも限界があり、ついに管理会社に電話をしました。担当の方は丁寧に話を聞いてくれて、「まず全戸に注意のチラシを配り、それでも改善しなければ個別に対応します」と説明してくれました。このマンションでは夜十時以降は静かにすることになっているそうですが、その規則を知らない住人も少なくないとのことでした。

一週間後、ようやく注意の貼り紙が掲示板に出されました。おかげで最初の二、三日は確かに静かになりましたが、効果は長くは続きませんでした。直接訪ねていって文句を言うべきかとも思いましたが、感情的になって関係が壊れるおそれがあるので、踏みとどまりました。

母にこのことを相談したら、「相手にも事情があるかもしれないから、まず手紙を書いてみたら」と勧められました。確かに、子育て中の家庭は気をつけていても完全に静かにすることは難しいはずです。怒鳴り込んだところで解決するわけがないと気づき、私はようやく冷静になることができました。

そこで私は丁寧な言葉で短い手紙を書き、そっとポストに入れました。文句ばかりでなく、自分の生活時間や仕事の状況も簡単に添えるように工夫しました。すると数日後、お子さんのお母さんが菓子折りを持って謝りに来てくれたのです。

お子さんが二歳でじっとしていられないこと、近いうちに防音マットを敷くつもりだったことなどを話してくれました。私の方も自分の事情を伝え、お互いの生活リズムを少しだけ共有しました。最終的に、家具の配置を変えたり、夜九時以降は走らせないように気をつけたりしてくださることになりました。

それ以来、夜の足音はかなり減りました。私自身も、廊下で会ったら笑顔で挨拶するように心がけています。今回の経験を通して、騒音問題は我慢するだけでも怒るだけでも解決しないということを学びました。

日本では集合住宅に住む人がとても多く、隣人とのトラブルは決して珍しいものではありません。むしろ、お互いに少し気を遣うことによって、毎日の暮らしはずっと快適なものになるのだと思います。

— 完 —