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JLPT N1会話

記者会見

不祥事を起こした企業の社長が厳しい質問に答える。

社長

この度の新薬データ改ざん問題につきまして、患者様ならびに関係者の皆様に多大なるご迷惑をおかけいたしましたこと、痛恨の極みであり、深くお詫び申し上げます。

記者

長年にわたって不正が隠蔽されていたという事実は、もはや一企業のガバナンスの欠如にとどまらず、業界全体の信頼を根底から揺るがす事態です。社長ご自身の経営責任について、いかにお考えでしょうか。

社長

すべての責任は、私自身の監視の甘さに起因するものと猛省しております。真相を究明せんがため、外部の有識者からなる第三者委員会を立ち上げ、徹底的な調査を行う所存でございます。

記者B

第三者委員会への丸投げは、責任逃れにかこつけた時間稼ぎだと言わざるを得ません。国民の命に関わる問題ゆえに、今この場で明確な辞任の意思を示すべきではないでしょうか。

社長

辞任すら辞さぬ覚悟でおりますが、まずは事実関係を余すところなく明らかにし、再発防止策を講じることこそが、私に課せられた最後の責務であると認識しております。

記者

データ改ざんを最初に指示したのは誰か、また、それを把握しながら看過した役員は何名いたのか、現時点で判明している事実をお示しください。

社長

内部調査によりますと、研究開発本部長が直接の指示者として浮上しております。役員レベルでの認識については、第三者委員会の検証を待つ必要があり、現段階で軽々に名前を挙げることは、かえって調査の公正を損ねかねません。

記者B

被害を受けた可能性のある患者数は、貴社の試算でどの程度に上りますか。また、補償スキームの具体案はおありでしょうか。

社長

当該医薬品の累計処方件数は約十二万件にのぼります。健康被害との因果関係については、独立した医師団による検証を経て確定する必要がありますが、補償につきましては上限を設けることなく、誠意ある対応を貫く所存でございます。

記者

業界自主規制の機能不全を問う声も上がっております。厚生労働省への報告体制について、具体的な改善案はお持ちでしょうか。

社長

これまでの自主規制が形骸化していた現実は、率直に認めざるを得ません。臨床データのリアルタイム提出と外部監査の常設、この二点を骨子とする改革案を、来週中にも当局へ提出いたします。

記者B

最後に伺います。今回の問題により失われた信頼を、社長ご自身、どのように回復していかれるおつもりですか。

社長

信頼は、言葉ではなく、日々の積み重ねでしか取り戻せないものと痛感しております。本日をもって、私の残された時間のすべてを、再発防止と被害者救済に捧げる覚悟でございます。何卒、厳しいご指導を賜りますようお願い申し上げます。

— 完 —