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JLPT N4物語

ラプンツェル

塔の中に住む長い髪の女の子のお話。

昔々、ある夫婦が、隣の家の高い塀の向こうに広がる魔女の庭を見ていました。庭には「ラプンツェル」という美味しい野菜が植えてあり、奥さんはそれを食べたくて仕方がなくなってしまいました。「あれを食べないと、私はもう死にそうです」と妻が言うので、夫はこっそり塀を越えて野菜を盗みました。

しかし二回目に盗みに入ったところを、魔女に見つかってしまいました。「生まれてくる赤ちゃんを私にくれるなら、許してあげましょう」と魔女は言い、夫婦は仕方なくその約束をしました。

やがて女の子が生まれると、魔女はすぐに赤ちゃんを連れて行き、「ラプンツェル」と名付けました。少女は森の奥にある、ドアも階段もない高い塔の中で育てられました。

十二歳になった頃、ラプンツェルの金色の髪は、塔の窓から地面まで届くほど長くなっていました。魔女が塔の下から「ラプンツェル、ラプンツェル、髪の毛を下ろしておくれ」と呼ぶと、彼女は窓から長い髪を垂らして、魔女を上に登らせていました。

ある日、森を馬で通りかかった王子様が、塔の上から聞こえてくる美しい歌声に足を止めました。次の日、王子様は隠れて魔女のやり方を見て、夜になってから自分も同じように「髪の毛を下ろしておくれ」と呼びました。ラプンツェルは魔女だと思って髪を下ろしましたが、上ってきたのは若くて優しい王子様でした。

二人はすぐに心を通わせ、毎晩こっそり会うようになりました。ある夜、ラプンツェルが「おばあさんを引き上げる時より、王子様のほうが軽いです」と口を滑らせてしまい、魔女に二人のことが知られてしまいました。

魔女は怒り狂って、ラプンツェルの長い髪をはさみで切り落とし、彼女を遠くの荒野へ連れていってしまいました。

その夜、何も知らない王子様が塔に来て、「髪の毛を下ろしておくれ」と呼ぶと、魔女は切り落とした髪を窓から垂らしました。王子様が上まで登ったところで、魔女は突然髪を離してしまいました。王子様は地面に落ちて、ばらの茂みの上に倒れ、両目に深い傷を負って、何も見えなくなってしまいました。

王子様は何年もの間、目が見えないまま森や野を一人でさまよい歩きました。木の実を食べたり、川の水を飲んだりしながら、ラプンツェルのことだけを思い続けていました。ある日、彼の耳に、遠くから懐かしい歌声が聞こえてきました。声のする方へ歩いていくと、そこには貧しい暮らしをしているラプンツェルと、二人の小さな子供がいました。

ラプンツェルは王子様に駆け寄って、彼の首に腕を回し、嬉しさのあまり涙を流しました。その温かい涙が王子様の傷ついた両目に落ちると、不思議なことに、彼の目はだんだん見えるようになっていきました。視力を取り戻した王子様は、ラプンツェルと子供たちを連れて、自分の国へ帰りました。それから一家は王宮で迎えられ、長く幸せに暮らしたそうです。

— 完 —